パイプマッチングレース

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ステージに上がると眩しい照明。万雷の拍手。ファイナル戦だ。ステージ右手に立つ俺の名前が連呼され、続いて左手対戦相手の名。ゴングが鳴った。
俺は右端の太い蛇口にパイプを嵌める。床に直管、L字管、U字管、異形管が散らばる。蛇口に続けて合うパイプを見つけては嵌めて、ステージ中央のガラスの壁に向かってパイプを伸ばす。壁の穴に最後のパイプを嵌めたら蛇口から水が流れる。先端から対戦相手に向けて先に水を噴出した方が勝ち。パイプの途中で水が漏れても負け。
最適なパイプを素早く見つけて嵌める。配管工を十数年もやってきた俺には問題ない。壁の向こうにはヘルメットの対戦相手。次々にパイプを嵌めてくる。俺は手を早めた。ガラスの壁だ。俺は最後のパイプの先を穴に突っ込んだ。と、同時に相手も穴にパイプを入れた。二つのパイプはがっちりと嵌まった。どちら側からも水漏れはなさそうだ。水が噴出するのはどこからか、会場は静まった。
その他
公開:22/09/25 16:35

たちばな( 東京 )

2020年2月24日から参加しています。
タイトル画像では自作のペインティング、ドローイング、コラージュなどをみていただいています。
よろしくお願いします。

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