ウイスキーの時間割

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お気に入りのバーで酒を飲んでいた。一人で静かに飲むのが俺流だ。ウイスキーの氷割は最高だ。いつもどおり俺は、ウイスキーの氷割を頼もうとした。
「マスター。ウイスキーの氷割を」
「すまない。氷が切れてるんだ」
「ああ?バーで氷が切れるとかそんなことあるかよ」
「すまない。その代わりと言ってはなんだが、ウイスキーの時間割ってのがある」
「時間割?なんだ?小学生の授業か何かか?」
「まあ頼んでみれば分かるよ」
「ソーダ割もいいけど、時間割ってのは飲んだことないし気になるからな。じゃあウイスキーの時間割で」
俺はウイスキーの時間割を頼んだ。するとウイスキーのボトルを開けるのに1時間。ウイスキーが全て注がれるまでに1時間かかった。
「おい、いつまで待たすんだ」
「これが時間割だ。時間をかけると美味いんだ」
「本当かよ」
あれ以来、俺はウイスキーの時間割にハマッている。ウイスキーの時間割、それが俺流だ。
公開:22/09/25 10:19

富本アキユ( 日本 )

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・作詞を担当
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