山が呼ぶ
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山がおれを呼ぶ。おれは登山が趣味だ。会社経営で忙しいおれの、数少ない息抜きだ。山は懐深くおれを迎えてくれる。
会社も軌道に乗り上手くいくようになり、おれは従業員の女性と結婚した。子どもも産まれた。
おれは子どもにも登山を教えた。ノウハウを教え込んだ。
やがて息子も夢中になり、お父さん明日は晴れるかな、晴れていた方が景色もいいし安全だものねなどと言うようになった。
ああ、てるてる坊主を吊るしておけば晴れるんじゃないかと、おれはてるてる坊主を作って吊るした。
しかしおれの経営する会社が危うくなってきた。赤字続きになっていった。ついに倒産してしまった。
妻と息子はおれを置いて出て行ってしまった。
山の奥深くに行って、首を吊って死ぬことにした。
そういえば昔息子のためにてるてる坊主を作ってやったな。おれがお前のてるてる坊主になるから、せめてお前だけは幸せになってくれよと思いながら首を吊った。
会社も軌道に乗り上手くいくようになり、おれは従業員の女性と結婚した。子どもも産まれた。
おれは子どもにも登山を教えた。ノウハウを教え込んだ。
やがて息子も夢中になり、お父さん明日は晴れるかな、晴れていた方が景色もいいし安全だものねなどと言うようになった。
ああ、てるてる坊主を吊るしておけば晴れるんじゃないかと、おれはてるてる坊主を作って吊るした。
しかしおれの経営する会社が危うくなってきた。赤字続きになっていった。ついに倒産してしまった。
妻と息子はおれを置いて出て行ってしまった。
山の奥深くに行って、首を吊って死ぬことにした。
そういえば昔息子のためにてるてる坊主を作ってやったな。おれがお前のてるてる坊主になるから、せめてお前だけは幸せになってくれよと思いながら首を吊った。
その他
公開:22/09/24 22:50
少し変わった、ブラックな話が好きです。
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