パーツ交換

ハサミで顔のパーツを切り取ることが、できるようになった。それで別のパーツを嵌めこむことができるのである。
容姿というのは生まれつきも大きく左右したが、それによって悩む人はいなくなった。
顔のパーツが悪い場合、いいパーツに替えればいいだけだ。病気とか怪我などによって痕が残った場合でも、そこを替えればいいからコンプレックスも無くなった。
しかし容姿はいいとしても、体のパーツも何とかできないかという声も挙がった。それもそうだなと、体のパーツも替えられるようになった。
だがさすがに臓器関係までは、替えることができなかった。だから外見は二十代くらいでも、実際は八十代などということがいくらでもあった。
若者が異性に告白したら、相手は老人でお互い腰を抜かしたという例は数多くあった。
医師も外見は若いのに、体の中身は老人という人ばかりになり戸惑った。
名札のような実年齢表示を胸に付けることが義務化された。