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何かを得るためには、何かを捨てなかければならない。それが私が生きてきた中で得た教訓だ。そして、私は捨てる方を選んだ。だから私は、私の全てをこの男に捧げようと思う。
「一緒に来るんだ」
「うん」
そう言って、私は手を差し出す。
「さて、それじゃあまずは何から話したものか……」
そう言いながら、顎に手を当て考え込む男。
「そうだな……。ならまずは俺がどうしてここにいるのかについて話すとするかな」
そして男は語り始める。自らの過去を。彼は病に侵された愛する人を救う為、不老不死の研究をしている科学者だった。しかし彼は、余りにも非人道的な組織の実験に嫌気がさした。そこで組織を裏切り、組織の実験体である私を助けた。生物はいずれ死を迎える。それが自然なのだ。だからそれでいい。そう語る彼と共に私は組織を抜け出した。組織を逃げ出しながら私は思う。いずれ彼の愛する人になれたらいいなと考えている。
公開:22/09/27 04:06

富本アキユ( 日本 )

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