蒼い炎

4
1

君は、蒼い炎だった。
「じゃあね」
「ああ、また明日な」
「うん、また明日」
そう言って彼女は教室を後にした。僕も帰り支度を始める。彼女がいなくなって少し寂しい気持ちになったが、明日にはまた会えるのだ。それだけで僕は幸せだと思った。
「……ん?」
机の中から見覚えのない封筒が顔を出した。真っ白な紙に可愛らしい字で書かれた手紙のようだ。
「なんだこれ? 誰かのいたずらか?」
封筒には『神崎透様』と書いてあるだけで差出人の名前はない。しかし宛名だけは僕のフルネームが綺麗な文字で書かれていた。中身はなんだろうと気になって開けた。

白金美鈴は、蒼い炎だ。

「……っ!!どうしてそれを!?一体誰が!?」

彼女が蒼い炎である事は、僕達だけの秘密のはずだ。

――だから神崎透よ。美鈴を守りたければ魂を燃やせ。命尽きるまで。

この世に蔓延る妖怪に対抗する力、それが蒼い炎。魂が燃えて蒼い炎になるのだ。
公開:22/09/26 09:49

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

https://youtu.be/frouU2nCPYI

・魔法のiらんど大賞2021小説大賞。大人恋愛部門「彼女の作り方」が予選通過

〇サウンドノベルゲーム版作品(無料プレイ可)

ブラウン・シュガー
https://novelchan.novelsphere.jp/38739/

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容