先生は101点のテストを作った
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卒業式が終わった後、私たち3年生は全員先生に教室に集められた。何事かと話し合っていると先生が登壇して、「ごめんなさい」と謝る。理由は分かっている。先生は3年間、勝手にテストに1点分問題を追加していたのだ。
この1点分の問題は、例えば「自分の趣味に友達を誘いたい。どう誘う?」という心理テスト的なもので、軽い冗談の類だと皆思っていた。
でも、生徒たちは問題が出されるたび、少しずつその一問を真剣に答えるようになった。
その理由が私にも分かったのは去年。「自分の大事なものを親に捨てられた。あなたならどうする?(1点)」という問題が出題された日、全員の回答を先生に見せてもらってからだ。相談した覚えはないけれど、それは確かに私の悩み事だった。
先生の行為は褒められたことではなかったけれど、その1点は私の心に残っている。
先生が頭を下げたのに合わせて、私たち全員、席から立ってお辞儀をした。
この1点分の問題は、例えば「自分の趣味に友達を誘いたい。どう誘う?」という心理テスト的なもので、軽い冗談の類だと皆思っていた。
でも、生徒たちは問題が出されるたび、少しずつその一問を真剣に答えるようになった。
その理由が私にも分かったのは去年。「自分の大事なものを親に捨てられた。あなたならどうする?(1点)」という問題が出題された日、全員の回答を先生に見せてもらってからだ。相談した覚えはないけれど、それは確かに私の悩み事だった。
先生の行為は褒められたことではなかったけれど、その1点は私の心に残っている。
先生が頭を下げたのに合わせて、私たち全員、席から立ってお辞儀をした。
青春
公開:22/09/26 07:31
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