風が運んできたもの

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その日、僕の目の前にドラゴンが現れた。
とても大きなドラゴン。ちっぽけな僕の存在なんて目に入っていないようだ。
大きな翼を動かすと突風が巻き起こる。その風に吹き飛ばされ、僕は大怪我を負った。
だけど、不思議と痛みはない。僕はドラゴンの大きさとその姿に圧倒されていたんだ。痛みなんてすっかり忘れてドラゴンに見惚れていたよ。
後日、怪我が治った僕は学校へと向かう。いじめっ子が僕を見て、わざとらしく小突いて来た。
だけど僕はそれにびくともしない。拳を振り上げて凄むいじめっ子を見ても怖さを感じない。
だってドラゴンの方がもっと大きくてもっと強かった。それに比べたらさっきの衝撃なんてそよ風もいい所。気にするものではない。
あの日、ドラゴンの翼が起こした風は僕に勇気を運んでくれた。
小さな僕だけど、いつかあのドラゴンみたいに大きな空へと羽ばたきたい。
ドラゴンを見たら運命が変わる。それは本当だったんだ。
ファンタジー
公開:22/05/11 20:34

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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