鬼婚者

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彼女は既婚者らしい。そう言われ、俺は残念だと思った。密かに彼女を狙っていたのに。
「それも鬼婚者なんだ」
「なんだそれ?」
「その名の通り、鬼と結婚した人の事さ」
「えっ?旦那さんは人間じゃないの?それならまだ俺にもチャンスはあるじゃないか」
「やめておけ。鬼相手だと何されるか分からないぞ。殺されるかもな。運が良くて半殺しだな」
「面白い。望むところだ。どんな鬼か見てやろうじゃないか」
俺は彼女に旦那さんを紹介して欲しいと頼み、旦那さんと会う事になった。
待ち合わせ場所である喫茶店に現れたのは、まさに鬼だった。日本の角が生えており、身長は2mを越えており、イカつい見た目をしている。彼女はよくこんなのと結婚したもんだ。
「彼のどういうところが好きなの?」
俺が彼女に訊ねると、彼女は恥ずかしそうに答えた。
「私を守ってくれる力強い所かな」
確かにどんなに強い者からも守ってくれそうだ。
公開:22/05/11 10:13

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

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ブラウン・シュガー
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