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新しい車を買い、待ちに待った納車の日がやってきた。我が家まで車を営業の人が持ってきてくれるという。

「大丈夫?うち分かりにくいから取りに行くよ」

って言ったけど、営業の人は

「大丈夫です。サービスですから」

と言った。
しばらく待っていたが、いくら待っても車は届かない。当然だ。うちが分かる人なんてなかなかいないだろう。
すると電話がかかってきた。営業の人からだ。

「もしもし。家が分からないんです。近くまで来てるんですけど」

ほら、やっぱりね。我が家は山奥にあり、辿り着ける人なんていないんだ。
迎えに行くと疲れ果てた顔の営業の人がいた。

「凄いですね。まさかこんなところに住んでるなんて。だってもはや雲の上じゃないですか。標高1600メートルってビックリしましたよ」
「だから車が必要なんですよ」

私は仙人だ。仙人だがちょっとドライブしてみたくなったのだ。
公開:22/05/09 09:15

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

https://youtu.be/frouU2nCPYI

・魔法のiらんど大賞2021小説大賞。大人恋愛部門「彼女の作り方」が予選通過

〇サウンドノベルゲーム版作品(無料プレイ可)

ブラウン・シュガー
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