風が運んできたもの

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俺とアイツとの間に緊張が走る。
いつかこの日が来ると思っていた。西部一のガンマン、それがどちらなのか今日ついに決着つく。
勝負は一瞬だ。お互い、どのタイミングで銃を抜くべきか、その時を待っている。
アイツがゆっくりと手を挙げる。何だ?まさか今頃になって命乞いでもする気か?
「一つ、聞いておきたい。さっきから俺達の足元を転がるこれ、何だ?」
アイツの質問に俺も頷く。実は俺も気になっていた。
この枯草のような物体…何なんだろう?
風に運ばれやってくるそれはこの西部の地にあってサボテンと並ぶ名物だ。
だが、俺はこいつの名前を知らない。
「俺は今日、死ぬかもしれない。だからこそ、悔いは残したくないんだ。こいつの名前を知らずに俺は死にたくない!」
その気持ち!分かる!分かるぞ!
よし、今日は決闘をやめよう。まずはこの植物の名前と正体を知ろうじゃないか!
「ありがとう。やっぱりお前とは気が合うよ」
公開:22/05/08 20:42
タンブルウィード

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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