祖父の家のトイレ

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僕は祖父の家のトイレが怖い。
祖父はとても古い家に住んでいる。古い家だから家の中にトイレがない。
トイレは家の外にある。少し離れた場所に簡易式トイレのような建物がある。
その中にあるのはボットン便所。底は深く中からコオォォ…と音がする。不気味だ。
昼間でも薄暗いそこは夜になるとなお怖い。闇を照らすのは裸電球。電気の通りが悪いのか時折チカチカする。
夜、ここで用を足していたら便器から人の手が這い出てきて掴まれてしまうのではないか?そんな想像が止まない。
祖父はそんな事絶対にないから大丈夫だって笑う。
でも僕は信じない。
だって爺ちゃんの足首には強い力で掴まれたような痣がある。
だから僕は夜、トイレに行かない。
明るくなってからトイレに行くようにしている。
でもこのトイレは朝もやっぱり怖いんだ。
だって今朝もボットン便所の前に綺麗に揃えられた靴と『遺書』って書かれた手紙が置かれていたんだから…
ホラー
公開:22/05/08 20:34

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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