グリーンパネル

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二十二世紀の地球は、気候変動の原因となっていた温室効果ガスのひとつである二酸化炭素の排出量が大気中に増え、人間が呼吸に必要な酸素が不足していた。
二〇五〇年には、宇宙太陽光発電が実用化し、地球上でソーラーパネルを大量に敷き詰めたメガソーラーが不要になった。その間、老朽化したソーラーパネルに含まれるカドミウムなどの有害物質が深刻な廃棄問題にもなっていた。
そこで、メガソーラーの跡地に大量のグリーンパネルを張り巡らせることにした。
グリーンパネルとは、透明な生分解性プラスチックのパネルに、バイオ技術によって作られた人工の葉緑素を注入したものだ。
グリーンパネルが効率的に光合成を行うことで、大気中の二酸化炭素を使い酸素を増やしていく。
グリーンパネルは、陸地だけでなく、メガフロートに載せて海上にも設置された。
宇宙旅行に出かけた観光客がロケットの窓を眺めながらこう言った。
「地球は緑だった」と。
SF
公開:22/05/04 07:01
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SHUZO( 東京 )

1975年奈良県生駒市生まれ。奈良市で育つ。同志社大学経済学部卒業、慶応義塾大学大学院政策・メディア研究科修了。
田丸雅智先生の作品に衝撃を受け、通勤中や休日などで創作活動に励む。
『ショートショートガーデン』で初めて自作「ネコカー」(2019年6月13日)を発表。
読んでくださった方の琴線に触れるような作品を紡ぎだすことが目標。
2022年3月26日に東京・駒場の日本近代文学館で行われた『ショートショート朗読ライブ』にて自作「寝溜め袋」「仕掛け絵本」「大輪の虹列車」が採用される。

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