雨夜の花

2
2

僕は雨が好きだ
雨音がリズムよく鳴り響き
その音は自分の中に入り込み、そこに雨を降らせる
そしてその雨は自分の中に水溜りを作る

教室の隅で雨に意識を向けていると
ある声が雨音をかき消した

「なぁー知ってるか?雨が降った夜8時にしか咲かない花があるらしいぜ」

僕は「雨」と「花」というワードに興味が湧いて振り返る。

「何それ?どういう花?」

「それが誰もその花を持ち帰った事がないらしい」

「ばかばかしい」

そう言って僕は雨に意識を向ける
友達は興味があればと、場所を言って去っていった
♢♢♢
辺りは真っ暗になり、気付けば僕はその場所に足を運んでいた
短く薄暗いトンネルを抜けた時、僕の目の前には街頭があり、
そしてその横には大きな花が光り輝いていた
--だけど

「なるほど、確かにこれは持って帰れないな」

街頭の影の先端にある水溜は
その光に照らされ、綺麗な花を咲かせていた
その他
公開:22/05/03 20:00
更新:22/05/03 14:33
街頭

カモメ

小説の勉強の為に登録してみました。
投稿も偶にしていこうと思います。
気が向いたら見ていただけると幸いです

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容