運命の人

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彼女は悩んでいた。本当に結婚するのだろうか。いい人だとは思う。でも、最近仕事が充実しているみたいで、デートなんて久しくしていない。連絡も減ってきた。周りは焦らせてくるけれど、向こうはどう思っているのだろうか。
出会いは、中学時代だ。席が隣だった。高校は公園のブランコで待ち合わせをしてくだらない話をずっとしていた。私の作る唐揚げが好きらしく、面倒だったけど、私も唐揚げが好きだからいいやなんて思っていた。初めのほうは、ひどい仕上がりだったけど。
時間があったので、彼のSNSを見る。プロフィールが変わっていた。「好きなものは、唐揚げ。まずい唐揚げに出会ったことがありません。中学時代が忘れられなくて、中学教師になりました。好きなものは、ブランコ。公園に行くとついつい見ちゃいます。」
こうして、彼女は結婚を決めた。
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公開:22/05/05 15:13

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