謎の放火魔

連続放火殺人が起こっている。我々は調査を続けたが、目撃者は誰一人としていなかった。

「事件はいつも昼間に起きる。白昼堂々と犯行に及んでいるホシを警察の威信にかけて必ず見つけ出すんだ」
「はい！！」

見回り態勢を強化して、ありとあらゆる地域に捜査員を置いた。しかしまた放火事件が起こった。今度は幸い、人が殺される事はなかったが、それでも家が全焼するほどの大惨事だった。

「くそっ！！どうしてだ！！どうしてこれだけ見回りを強化したのに犯人が見つからないんだ」
「暑いですからね。こうも太陽が照り付ける日だと、捜査員もついボーッとしてしまいますよ」
「ん？待てよ。まさか……」
「どうしたんですか？」

ついに事件の全貌が明らかになった。犯人などいなかった。いや、正確には犯人は太陽だ。灼熱の太陽によって自然発火し、それが家事となったのだ。

「なるほど。だから昼間にしか火が出なかったのか」