風が運んできたもの

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風薫る春。屋根の上で気持ちよく昼寝をしていると美味しそうな匂いがした。
匂いにつられ顔を上げてみると、鯉のぼりが日に焼けているではないか。
その香ばしい匂いに涎が止まらない。
食べたいなぁ…でも、鯉のぼりの奴、風に運ばれ高いところを泳いでいる。いくらジャンプ力に自信のある吾輩でもあんなところまで到底届かない…
と、思ったその時だ!風が止んでだらりと鯉のぼりの尾が下がる。今だ!
思いっきりジャンプし、鯉のぼりの尾に爪を立てた!が、吾輩の爪は鯉のぼりの尾に刺さらない!
ああ、畜生!この鯉のぼり、尻尾が龍化している!固い鱗でびっしり覆われている!鯉頭龍尾だ!
吾輩は鯉のぼりの尾にはじかれ上空へと放り出される。風に運ばれると屋根の上へと戻された。物凄く悔しい!
再び風に流される鯉のぼり。吾輩、そんな鯉のぼりに宣戦布告する。
今に見ていろ!いつかお前の尾に爪と牙を突き立てて美味しく頂いてやるからな!
公開:22/05/04 20:15

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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