憧れの猫

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猫になりたい。ずっとゴロゴロしているし、愛想なんて全くない。少し触ろうとすると、容赦なくパンチをくらわす。だが、それについて誰も怒らず、むしろこっちが謝るのである。真の百獣の王と言ってもいいくらいの立ち振る舞い。一方で、自分はどうだろうか。ある日突然、集団から追い出された時も、自分の力でだけで生きてきた。そうする以外、他に道がなかったのだ。また、緊急事態の際には、いつも自分が呼び出される。頼られているのは嬉しいが、全ての物事に対応しなければならない。でも、無駄な戦いはしない。本当に戦わなければいけない時に備えなければいけないからだ。自分の生き方に疑問を持ったことはない。だけど、たまには猫になってみたい。でも言えない。自分には、プライドもあるし、周りの目だって気になる。

「ママ、見て。ぼーっとしているみたい」「ライオンだって、物思いにふけたくなる時があるのよ」
ファンタジー
公開:22/05/02 14:15

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