布団に吸い込まれる

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春は眠い。何をするにも眠い。
私は布団の誘惑に負け、今日も布団に吸い込まれて眠る。

それだけならまだいい。
いつからか布団が私を吸い寄せるようになったのだ。布団の近くに行くと、布団が物凄い吸引力で私を吸いつける。
抵抗するも私は、布団に吸い寄せられていく。
「ああああーーー」
そして布団は、私を夢の世界へと誘う。そう、眠ればいい。眠ればいいんだ。永遠に。何も抵抗する事なんてないんだ。抵抗しなければ楽になれる。全て流されるままに受け入れればいいんだ。
こうして私は、社会と隔離された。
家の中で布団の中だけで過ごす毎日になった。食事と風呂とトイレ以外は、布団の中で過ごしていた。
そして私は、どんどん太っていった。
ある日の事だった。
急に布団に吸い込まれる事はなくなった。それどころか布団から押し出されるようになった。
「一体どうして?」
布団に問いかけると返ってきた言葉。それは……
「重い」
公開:22/05/02 09:58

富本アキユ( 日本 )

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Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
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・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

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ブラウン・シュガー
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