泥中の君/春のこと

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あの時計台に6時になったら集合ね。
いつかの夕暮れきみとの約束。
それから少しして穢れた者たちにきみは囚われてしまった。
ぼくは、ぼくは手を差し伸べなかった。ただ泥水に溶けていくきみを無表情に。
片目できみを見送った。


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春はどうして手をからだをすり抜けて行ってしまうのか。
目に映る春をすべて自分のものにしたいと切に願った。叶わないけれど。
あなたが散った季節も春でしたね。
だからどうしても春をあいしてしまいます。
青春
公開:22/05/01 23:37

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