寛容のパラドックス

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 二人の男が語らっていた。一人は溶岩よりも熱く真摯に、もう一人は絶対零度の如き冷笑的な態度だった。
 「この国では皆が共生しなければなりません。誰もが誰に対しても寛容に、そして多様性を承認しなければならないのです」
 「ほほう。ところで質問なのだがね」
 「なんでしょう?」
 「共生できない人間がいたらどうするね?俺のように」と、冷笑屋が厭らしい笑みを浮かべた。
 一寸、熱き人は考えた。そして即断して行動した。
 S&Wのハンティングナイフが冷笑屋の大動脈と喉仏を真一文字に切り裂いた。
 「寛容の名において、不寛容に寛容であらざる権利を」
SF
公開:22/04/27 07:58

狂人倫

畢竟独自の見解

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