世界が終わる日に抱き合いながら

2
2

世界が終わる日に抱き合いながら死んでしまいたいと思った。全面核戦争によって世界は汚染された。もうすぐ世界が終わる。幸か不幸か生き残ってしまった私達は、もう何ヶ月もの間、生存者に出会っていない。本当にこの世界は、私達二人だけになってしまったのだろうか。

「世界が俺達だけの物になったみたいでなんかいいな」

彼は明るく私を元気付ける為に無理しているのが分かる。その態度が私にとってはとても嬉しく、温かい気持ちになる。唯一生き残ってくれたのが彼で良かった。

「生きてさえいれば、きっといつか生存者に会えるさ。頑張ろうぜ」

そして彼と一緒に生存者を探し続けた。だがやはり生存者を見つける事はできなかった。食料も残り僅かだ。いよいよ本当に終わりの時がきたようだ。

「ありがとう。君がいてくれたから俺はここまで生き延びられた」

そう言うと彼は私を抱きしめた。彼の腕の中で、私は意識を失っていった。
公開:22/04/24 09:50

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

https://youtu.be/frouU2nCPYI

・魔法のiらんど大賞2021小説大賞。大人恋愛部門「彼女の作り方」が予選通過

〇サウンドノベルゲーム版作品(無料プレイ可)

ブラウン・シュガー
https://novelchan.novelsphere.jp/38739/

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容