「新しい空想科学 1+√2ℹ︎年生」より「太陽系の天体」抜粋

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 プラスチックとインクを主体とし、地球のまわりを周期的に公転している微小天体が、彗星ペンである。直径は10数cmほどだが、地球に近づくと、空中の水分を吸収してインクが染み出し、同時に、ニブと呼ばれる発色のよい部分が形成される。染み出したインクは、天球上に線を引くように残存し、この線をライティングという。
 彗星ペンが対流圏中を通過し、対流圏内にライティングが存在する場合、降水・降雪があると、ライティングの表面が分離し、小片(ステイン)となって地上に落下することがある。そのため、彗星ペンの通過後は特に天候に注意する必要がある。
 代表的なものに、パイロット彗星ペン、ペンテル彗星ペン、ゼブラ彗星ペンなどがある。1910年のハレー彗星ペン接近時には、ステインの落下を見越した傘の買い占めが起こると同時に、インクのにおいを5分間かぎ続けると命にかかわるという誤情報が流れ、世界中が混乱に陥った。
SF
公開:22/04/23 20:50
更新:22/08/28 18:03
新しい空想科学 1+√2ℹ︎年生

北瓜 彪

ショートショート講座(2019年7〜9月期)にも参加
しました。
皆様宜しくお願いしますm(_ _)m

※アルファポリス
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/664452356
でも活動しています。SS講座で提出した作品「ファンフラワーに関する見聞」「大自然」もそちらで公開しております。
 

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