味付屋

「近所の主婦達が鍋を抱えてよく駆け込んで来たそうです。料理が得意だったお袋が何が足りないかを見極め仕上げの一振りをする。そしたら味が劇的に締まったそうです。元々は金物屋でしたが思い切って鞍替えし創業したのが当社『味付屋』で。だから鍋なんです」
社長はそう言って、企業ロゴが何故鍋の形なのかを説明した。
「料理から現在の事業へはどういう経緯で？」記者は聞いた。
「今やレシピなんて検索したらすぐ出てくるでしょ。もう味付けで迷子になる時代じゃない。
じゃあ今も尚、迷子になる味付は何だと模索したら今の業態に辿り着いたんです」
記者は鍋マークの下『The taste of life』を指差す「それが人生の味付けだと」
「そうです。人生ほど満足の線引が難しいものはありません。当社を利用して頂ければどんな悩める現状にも必ず『意味』を見出す味付けのお手伝い致します」
社長は塩を振るジェスチャーをしてみせた。