wi-fi背後霊

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私には霊感があり、背後霊が見える。ただ私の背後霊は、電波が悪いと会話が途切れるのだ。

「……っ……だかっ……れ……み……」
「何?遠くて聞こえない。もっと近くに来て」

wi-fiの電波と同じだ。私と背後霊が一定の距離以上離れると、電波が途切れるのだ。だから私は彼女をwi-fi背後霊と呼んでいる。

「ねえ。だからさ、4Gじゃだめなのよ。そろそろ5Gに対応しないと。私が最新版になったら、あなたもメリットが沢山あるのよ?」

wi-fi背後霊の彼女が言う。

「どんなメリットが?」
「いざという時に守る速度がアップするの」
「5Gだけに高速通信?」
「そう」
「機種変ってどうやるの?」
「墓参りに行くの」

私は墓参りに行った。機種変された背後霊は、高速通信になった。

「ねえ」「何?」
「「なんか変わっ……「変わったわ」

背後霊は私の会話を遮って高速で話をするようになった。
公開:22/04/26 10:29

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

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