憎しみ

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「今度両家の家族で一緒に焼肉でも行きましょう」

冗談だろ。なんでお前なんかと焼肉行きたいんだよ。ましてや私をいじめている張本人のくせに。後、ついでに焼肉って面白く言ったつもりなのかもしれないけどセンスないから。私は毒を吐き、笑顔で「お断りします」と答えてその場を後にした。
それからは気分爽快だった。言いたいことを言えず我慢するばかりの私だったが、たかが外れたのか毒を吐きまくった。すると次第にいじめの標的にされる事も少なくなっていった。

「今までごめんなさい。あなたをいじめているつもりはなかったんだ。ただいじっていたつもりだったんだ」
「そんな事を言われても、いじめられた方は辛い気持ちとしてずっと覚えていますから。深い憎しみは消えないんですよ」
「焼肉に行きませんか?」
「行かないわよ!!肉を服の上に落として、肉染みが出来るから憎しみを忘れましょうってか!!」

私は上手い事言えた。
公開:22/04/26 10:19

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
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・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
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・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

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ブラウン・シュガー
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