時代諸氏

12
16

令和が今は我が世の春だと胸を張って闊歩していた。すると大正が出てきてオイ若いの偉そうにするなよ、
ほんの駆け出しのくせしてと嫌味を言った。
丁度通り掛かった昭和が、先輩の仰る通りだ、もっと君は謙虚になりなさいと諭した。儂は64年間努め幾多の戦争を起こし、国民に犠牲を強いてつくづく平和が大事な事だと痛感している。
つまらぬ事で言い争いは好ましくない、先ずお互いの意見を良く聞き理解し合う事が必要だと言った。

今度はそこへ明治が現れ、長き鎖国の時代から開国を迫られ、一挙に異国の人間が押し寄せてきた。
彼らに負けじと必至になって種々学び、いち早く近代日本の礎を築くのは並大抵ではなかったと言った。
偶然時代諸氏がここで出くわしたが、一人足りない気がするが誰だったかな?
するとこちらに慌てて駆け足で来る者がいる。そうか忘れていたが奴はつい最近まで頑張っていた平成ではないか。
忘れたのは申し訳ない。
ファンタジー
公開:22/04/24 21:07

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容