チェリーブロッサム

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「前にどこかで会ったよね?」
典型的なナンパかな?駅前で話しかけてきたチャラそうな男の言葉を無視して歩いた。
「あ、思い出した。BARチェリーブロッサムだ」
私はその言葉に足を止めた。
「君も訳ありなの?彼には会えた?」
「……あなたには関係ない」
「その様子だと会えなかったみたいだね。レッドチェリー、赤多めの炭酸割りって注文してないでしょ?」
「赤多め?」
「殺しを依頼する時の暗号さ。赤は血を表すんだ」
「そう。私が訊いたのは赤多めなんて話なかったから」
「……ま。どっちでもいいんだけどね。初めまして。俺が君の探し人です」
「あなたが?思ったより若いわね」
「それで誰を殺して欲しいの?」
「私の父親よ」
「報酬は用意できる?」
「桜の種でしょ?こんなのでよく人殺しなんてするわね」
「俺にとって桜は特別な花だからね」

桜の種を渡せば恨み人を殺してくれる。私は彼に桜の種の入った袋を渡した。
公開:22/04/22 10:08

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

https://youtu.be/frouU2nCPYI

・魔法のiらんど大賞2021小説大賞。大人恋愛部門「彼女の作り方」が予選通過

〇サウンドノベルゲーム版作品(無料プレイ可)

ブラウン・シュガー
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