七不思議

4
1

「じゃあ三橋君の席は、岡崎さんの隣ね」

転校初日、僕が席に座ると彼女は話しかけてきた。

「よろしく」

笑顔がとても可愛らしい子だった。

「よ、よろしく」

僕が転校してきた理由。それは前の学校でいじめられたからだ。表向きは家庭の事情という事で通しているが、実際はそうではない。

「大変だね。家庭の事情で転校なんて。友達とも別れて寂しかったんじゃない?」
「いや、友達少なかったから」

いつも席で本を読むだけの根暗な僕は、いじめの標的にされたのだった。
新しい学校になったし、僕も変わらなきゃいけない。そう思ったけど簡単には変われなくて、相変わらず本ばかり読んでいた。

「ねえ。何読んでるの?」

彼女は僕に事ある毎に話しかけてくれる。

「ミステリー小説。推理物が好きなんだ」
「じゃあうちの学校の七不思議も解決できるかもね」

それが僕が巻き込まれる最初の事件だった。
公開:22/04/22 09:51
更新:22/04/22 11:39

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

https://youtu.be/frouU2nCPYI

・魔法のiらんど大賞2021小説大賞。大人恋愛部門「彼女の作り方」が予選通過

〇サウンドノベルゲーム版作品(無料プレイ可)

ブラウン・シュガー
https://novelchan.novelsphere.jp/38739/

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容