自殺宣言
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「僕、自殺しようと思うんだよね」
学校の喧騒から隔離された、人っ子一人居ない、放課後の屋上。
彼は突然、僕に「自殺宣言」をした。
戸惑う僕に構うことなく、彼は冷たいコンクリートの淵に近づいていく。
「僕はさ、こんな世界で生きることに、何の意味があるんだろう、って、ずっと思ってた」
「でも、君はそんな僕に希望をくれた。だから、ちょっとだけ頑張ってみようかなって、思えたんだ」
それなら!生きてくれよ!
そう言いたかった。でも、声は出てくれない。
「君なら、それでも『生きてくれ』って言うのかな」
「でも、もう無理だよ。『君のいない世界』で、頑張る理由が僕には見つからなかったんだ」
「ありがとうも、さようならも言わないよ。すぐ、会えるからね」
黄昏時の夕陽が、彼を包み込む。
その残像は、どんな日の入りよりも美しく、醜かった。
その日の屋上には、彼以外人っ子一人居なかった。
学校の喧騒から隔離された、人っ子一人居ない、放課後の屋上。
彼は突然、僕に「自殺宣言」をした。
戸惑う僕に構うことなく、彼は冷たいコンクリートの淵に近づいていく。
「僕はさ、こんな世界で生きることに、何の意味があるんだろう、って、ずっと思ってた」
「でも、君はそんな僕に希望をくれた。だから、ちょっとだけ頑張ってみようかなって、思えたんだ」
それなら!生きてくれよ!
そう言いたかった。でも、声は出てくれない。
「君なら、それでも『生きてくれ』って言うのかな」
「でも、もう無理だよ。『君のいない世界』で、頑張る理由が僕には見つからなかったんだ」
「ありがとうも、さようならも言わないよ。すぐ、会えるからね」
黄昏時の夕陽が、彼を包み込む。
その残像は、どんな日の入りよりも美しく、醜かった。
その日の屋上には、彼以外人っ子一人居なかった。
青春
公開:22/04/19 14:47
自己満足兼、備忘録的にショートショートを投稿します。Twitter(@issiki_1205)
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