じいじとばあばのメモリアルキャンドル・中後編

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「ほほほ。仲が悪く見える……か?だろうのお。ほほほ。長続きの秘訣か。長続きの秘訣はな、相手の嫌なところを伝える事じゃな」
「嫌なところを?」
私は意外な答えに首を傾げた。
「このメモリアルキャンドルを見る度に思い出すな。若かったあの頃を。なあ、おまえ」
「そうですねぇ。あの頃の爺さんは可愛げがあったのに」
「それはこっちの台詞じゃ。昔のお前は可愛げがあった。今となっては見る影もない」
「昔は恰好良くて優しくてなんて良い人なんだろうって思ったんですけどね。一緒になったのは失敗だったと考える事もよくありますわ」
「おまえは気が利かない事があるし、遠慮がないし。おっちょこちょいだし」
「ねえ。昔のじいじとばあばは、どんな感じで出会ったの?」
「あれは五十年前。半世紀前も前の事じゃな。務める職場にな、弁当屋の娘が配達に毎日来ておったんじゃ。ワシはその娘が気になってな、声をかけた。それが婆さんじゃ」
公開:22/04/19 12:52

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

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ブラウン・シュガー
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