光源

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教室の傍の階段には日が当たらない。
踊り場の視界の少し上にある小窓からは太陽が見えず、他の窓から学校内を照らしていた。
そのため、電気がつかなければ昼間でも階段は暗く、灰色の壁も相まって鬱屈とした気持ちになった。足取りが重く感じさせたのは、そのせいだけでもなかったのだが。

そこが、私の憩いの場所である。
階段を上るのに上を見上げる必要はなかったので、気づくまで随分と時間が掛かってしまった。
一階から見上げると、小さな小窓、灰色の壁に包まれた小さな四角。そこから覗く空の青さに、私は目を閉じ、詰めていた息を吐き出した。

それから小窓は色とりどりの顔を見せてくれた。
隙間風を背景に舞い上がる砂埃と落ち葉。
黒濁の空に瞬間的に走る光。
黄色い光に縁取られ、青に強く彫られた雲。

相も変わらず小窓は太陽を見せない。
唯、その存在だけを感じさせた。
青春
公開:22/04/18 23:00
どうしようもない日 不幸と幸福の間

Hiro.K( 日本 )

あまり文章を書くのが得意ではないのですが、出来る限り投稿していきたいと思っています。
よろしくお願いします。

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