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私のご先祖様は商売人でありながら田舎で年貢を管理する代官の代行もしていた。
ご先祖様はずる賢い方で年貢の献上をいくらか誤魔化していた。
そうしないと年を越せぬ者が出てしまう…元々少ない働き手をこれ以上減らすわけにはいかぬと斬首覚悟でお上を騙していた。
そんな噂がお上の耳に入ってしまったのだろう…この場所に代官が遣わされる事になった。それも聞けば相当の悪代官。ご先祖様はその話を聞き、戦々恐々としたそうだ。
だが、お代官と会ってみるとその方は素晴らしかった。より効率的な騙し方・誤魔化し方を指南してきた。
「儂はな、同僚に苦汁を飲ませ続けた事から”灰汁代官”と呼ばれていた。儂がいては奴らは旨い汁が吸えんからな…で、ここに飛ばされた。だが奴らは儂が旨味である事に気付いておらぬ。越後屋よ。お主の悪知恵に儂も力を貸してやろう。ここで奴らに一泡吹かせようではないか」
そう言って悪い笑みを浮かべたという。
公開:22/04/20 20:58

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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