雪解け

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 雪解けのうららかな日は絶好のタイヤ交換日和。
俺は晴山壮の駐車場で作業を始めた。
隣人もぎこちない手つきで作業を始めた。
俺は小一時間で終了したが、まだ隣人は戸惑っている。
「すいません」と彼女はこちらを上目遣いに見た。
仕方なく手伝った。
 
 お礼にと昼飯時に煮物を持ってきた。
とても懐かしい味に思えた。

 夕刻より天候が暗転した。
豪雨と強風がボロアパートを揺らした。
急に明かりが消えた。停電だ。

コンコン、コンコン

ドアを開けるとローソクを灯した隣人が立っていた。
髪はびしょ濡れで、バスタオル一枚巻いたままで。

「怖い、今晩泊めて!」

 俺は仕方なく彼女を入れた。

「何もしないでよ!」と彼女は言った。
ふざけた奴だ。
「じゃあ、なんでそんな恰好をしているんだ!勿論
その気はないわ!」

俺の浮気を疑い自分から離婚を迫ったくせに。

その夜二人は元の夫婦に戻った。
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公開:22/04/20 10:04
更新:22/04/22 14:00

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