Ⅲ.八章 根源悪ノ牧場 2/9

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 収容所内が喧噪に包まれる。
「何だこの騒ぎは?」
 所長の元にせんせいが来る。
「暴動が起きたようです。早く避難したらどうですか?」
「避難?御冗談を。家畜以下の連中の騒動ぐらいすぐに治めますよ」
「そうですか。ところで御身体の具合はどうですか?」
「何をこんな時に…う…」
 苦しみ出す所長。
「やはり健康診断には行っておくべきでしたね」
「何を言って、早く医者を…」
「この騒ぎでは呼べませんね。少し待ってもらえますか。私の仲間が、あなたの部屋を調べ終わるまで」
「何?!」
 銃をせんせいに向ける所長。
「どういう意味だ。何を企んでいる?」
「察しが悪いですね。この暴動は私が仕組んだことですよ」
「貴様が?」
「準備は簡単でしたよ。あなたは収容者をいびって愉悦に浸るのに夢中で、看守のほとんどはあなたの顔色を伺うことばかり気にしてましたからね」
「なぜだ。なぜこんな事を?」
「…第弐棄匣」
SF
公開:22/04/19 22:27
更新:22/07/05 21:26
SF 連載 戦争 差別

Arujino( 東京都練馬区 )

まずは、こんにちは。

練馬区で活動中の、趣味の絵描きです。

小説・脚本なども執筆してます。

【番号なし】 用語・設定解説

【Ⅰ】 連載作品『WonDer BroS』 探偵と怪盗の対決が娯楽化した世界での物語。

【Ⅱ】 短編連作『Story Of Dri(P)Party』

【Ⅲ】 連載作品『根源悪の牧場』 戦争による差別と弾圧に支配された世界での物語。

【Ⅳ】 連載作品『ドライワンダーに遣う』

【001~】 短篇集『short TaleS』
 

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