走馬灯
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私事で恐縮だけど、もうすぐ死ぬ。さっきから走馬灯が流れてる。だけど全部の思い出に見知らぬ人物が入り込んでる。サラリーマンが教室に立ってたり、買い物中の女性が結婚式にいたり。走馬灯とはそういうものなのか。死ぬので確認しようがない。
いよいよ最後、病院で私が死ぬ場面なのに知らない子供たちが私を見ている。テレビカメラを覗くように私の走馬灯に映り込もうとしている。私の家族親族は悲しそうなのに、子供たちだけ場違いにとてもいい笑顔だ。
人生とは自分のものではなく、むしろ思いもよらない人のためにもある、という象徴なのか。でもそういう人生訓はこれからの人生をより良くするためのもので、私はもう死ぬのだ。いったいその、何だこいつら?
確かにいい笑顔かもしれない。だけど今までの私の人生と関わりのない、何の意味もない笑顔のはずだ。何だそのピースサイン。まるで私が幸せな一生を送った証みたいじゃないか。
いよいよ最後、病院で私が死ぬ場面なのに知らない子供たちが私を見ている。テレビカメラを覗くように私の走馬灯に映り込もうとしている。私の家族親族は悲しそうなのに、子供たちだけ場違いにとてもいい笑顔だ。
人生とは自分のものではなく、むしろ思いもよらない人のためにもある、という象徴なのか。でもそういう人生訓はこれからの人生をより良くするためのもので、私はもう死ぬのだ。いったいその、何だこいつら?
確かにいい笑顔かもしれない。だけど今までの私の人生と関わりのない、何の意味もない笑顔のはずだ。何だそのピースサイン。まるで私が幸せな一生を送った証みたいじゃないか。
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公開:22/04/17 20:00
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