稽古を重ねる米軍

「いいか、私たちには奴らにはない、力がある。粘り強さがあるんだ。」
俵腰の教官は声を張り上げた。
「戦争は諦めないことが肝心だ。どんなに劣勢と思える状況でも、決して諦めるな。それでは、新人の諸君。稽古を始める。」
教官の厳しい稽古。そのメニューはこうだ。
まず、全員体を洗い合う。ガリガリとお互い擦り合い、垢を取り合うのだ。水が真っ白く濁るほどに。垢がだいたい取れると、次に一斉に水風呂に入る。寒くてブルブル震えていると、そこからゆっくりとお湯を沸かしていく。最初から沸かしとけよと思うのだが、それでは強くなれないらしい。熱湯になってもお風呂から出ることは許されない。湯船からお湯がなくなる頃に、やっと上がれるのだ。
「よし、よくぞ頑張った。君たちも、これで強くなった。」
教官の言うように、たしかに、皆が自分の体が大きくなるのを感じた。強いのかは分からないが。
「本題だ。パン軍に勝つには・・・。」