おかしな戦争15

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入場してきたモリ・ナガを見たとき、誰もが驚いた。
狂信者を引き連れて侵略を繰り返す暴君ではなく、まるで聖者のような穏やかな佇まいだったからだ。
そして会議の内容も驚くべき者だった。

「即刻軍隊を引き上げる。侵略した国々に対しても国宝などの明らかに奪ったものは返却し、国土もお返しする」

ブルボンをはじめ、その場にいた人々がモリ・ナガの正気を疑うほどだった。

「明らかにうますぎるはなしですな。モリ・ナガどの。あなたの考えをお伺いしてよろしいですか?」
そう発言したのはビーノである。長年の経験より、すぐ愛や正義だのを口にするものほ九割がた愚か者か、腹黒い人物であることを彼は知っていた。
ましてや暗殺しようとしたときのモリ・ナガは典型的な独裁者で、目も野心でギラギラしていたのだ。疑うのも当然だった。

「兄がしてしまった罪を少しでも償いたいのです。じつは私は前教主の双子の弟のカインです」
ファンタジー
公開:22/04/16 15:57
更新:22/04/30 15:11

ばめどー

ぼちぼちやっていこうと思います。
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