セノビガス

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「さっき知らないおじさんからセノビガスもらった」
二郎くんはもらったセノビガスを一郎くんに見せびらかします。
「なんだよそれ」
「このガス吸うと背が高くなるんだって」
「声が高くなるガスは聞いたことあるけど、そんなのあるのかよ」
身長にコンプレックスを持っていた二郎くんはそのスプレー缶を持って庭に出ました。
「見てろよ。今まで俺をチビだと言ってた奴らを見下してやるんだ」
「知らないおじさんから貰ったんだろ?雲行きも怪しいしやめとけよ」
制止する一郎くんに耳も貸さずに二郎くんはスプレーを吸いはじめました。
「おぉ、背が伸びていく!」
ぐんぐん背が伸びていく二郎くん。
「もっと、もっと」
二郎くんが天まで届きそうなほど伸びていったそのときでした。
ピカッ。ドッカーン。
雷が落ちたのです。二郎くんは焼け焦げてしまいました。
今ではこの地は背が伸びるパワースポットとして有名になりましたとさ。
その他
公開:22/04/18 17:00
ガス

雪宮冬馬

日本生まれ日本育ち。年齢約20代。まだまだこれからの男です。
noteでもショートショート書いてます。
よろしくお願いします。

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