新しい朝

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 窓を開けると、朝焼けが消えるところだった。
オレンジから薄紫に変わった色が、静かに空にとけて行った。

吹く風は冷たく、頬を凍りつかせたが、しらみはじめた地平線が美しかった。

まだ、まどろみのなかにいるのか、小鳥の声は聞こえない。
ただ目の前の草むらから、ギギと雉の鳴き声が響いていた。

私は深く息を吸って、ほうっと長く吐き出した。

やわらかい息が、手のひらをそっと、あたためる。微かなぬくみが、不安な心をなぐさめてくれた。

今日からの、新しい門出にふさわしい朝だ。
壁のハンガーにかけた制服に、はじめて手を通した日。

(窓を開けると…… 02)
青春
公開:22/04/18 13:12

あさこ

あさこです。よろしくお願いします。
ショートショートは初めてのチャレンジ。 短い文でまとめるのは難しい、試行錯誤中です。
カクヨムでも小説を書いています。https://kakuyomu.jp/users/kukiha
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