聖バレンチノ暗殺計画
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二月二十四日。僕にとって、最悪の日だ。
例によってチョコは貰えず、僕に魅力がない事を自覚させられる。
いっそ、バレンタインデーなんてなかったら。
そう考えて早二ヶ月、僕はタイムマシンを作ることに成功した。
計画はこうだ。聖バレンチノが殉教した日がバレンタインデー。なら、僕はバレンチノの母親を暗殺することで聖バレンチノの存在そのものを消し、バレンタインデーという概念を消す。完璧な計画だ。
だが、いざ三世紀にタイムスリップしてみると、言語の壁や慣れない土地にいじめ抜かれ、僕はベンチにへたり込んだ。このままではバレンチノどころの話じゃない。
……おっと、そこの貴女、ハンカチを落としましたよ。いえ、お礼など……しかし……
ーー産声が聞こえた。
生まれました!元気な男の子ですよ!と、助産師に連れられ対面した、愛しの我が子と我が妻に告げる。
「そうだ。この子の名前は……バレンチノ、なんてどうだい?」
例によってチョコは貰えず、僕に魅力がない事を自覚させられる。
いっそ、バレンタインデーなんてなかったら。
そう考えて早二ヶ月、僕はタイムマシンを作ることに成功した。
計画はこうだ。聖バレンチノが殉教した日がバレンタインデー。なら、僕はバレンチノの母親を暗殺することで聖バレンチノの存在そのものを消し、バレンタインデーという概念を消す。完璧な計画だ。
だが、いざ三世紀にタイムスリップしてみると、言語の壁や慣れない土地にいじめ抜かれ、僕はベンチにへたり込んだ。このままではバレンチノどころの話じゃない。
……おっと、そこの貴女、ハンカチを落としましたよ。いえ、お礼など……しかし……
ーー産声が聞こえた。
生まれました!元気な男の子ですよ!と、助産師に連れられ対面した、愛しの我が子と我が妻に告げる。
「そうだ。この子の名前は……バレンチノ、なんてどうだい?」
SF
公開:22/04/18 01:08
愛媛県民です。
月に一本程度書きます。
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