心洗濯機

長年の研究の結果、博士は心洗濯機の試作に成功した。
人の心にのし掛かる、苦悩や怒り、失意、不安を綺麗に洗い流し、新たに出発する為にも不可欠な家電だ。
ただ今の試作品は洗濯機よりもやや大きく、学校や職場等の問題発生現場で直ちに使用は出来ない欠点がある。今後はコンパクト化を図り、ポケットに入れ持ち運びも自由に出来る位に改良していきたい。

何故大きいかと言えば、傷ついた心を激しく回るモーターの槽に入れれば、心は簡単に折れ粉々になってしまう。だから初期槽では優しく低速回転で、次の槽に移し少し強めの洗浄等、段階的に最終工程のハイパワー運転に持っていく必要がある。
其のため現状、複数の槽を設けており如何にこの数を減らし且つ小型化を図るかが課題である。
ところが最近この問題が、一挙に解決された。その理由は人々の相互理解や意思疎通が深まり、思いやりや助け合い精神で自然洗浄が促されている事が判明した。