夢の宇宙旅行
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はっと気づけばビッグバンから138億年、宇宙はますます膨張し、星々の間は遠く隔てられるばかり。光速を超えたい。幸い僕は世界一の大金持ちだし、何とかなる。超光速の宇宙船が完成した。もちろん搭乗する。地球が退屈すぎるのが悪い。
とはいえ、実際失敗すると辛い。
失敗の原因? 分からない。というか、これが失敗なのかもよく分からない。超光速に達する瞬間、僕の宇宙船は衝撃もなく静止状態に陥った。もっと奇妙なことに、僕は喜ぶ僕からの通信を傍受し、軌道上に超光速で移動した宇宙船の痕跡を発見した。宇宙船が分裂したのだ。超光速航行に成功した僕と、失敗した僕に。
僕は地球に戻った。時々望遠鏡を覗く。あの星々のどこかに、宇宙を股にかけ冒険旅行を繰り広げる僕がいる。深宇宙を超えた僕からの通信はもう僕には届かない。想像するしかない。全ての想像がそうであるように、面白くて切なくて、少しだけ主人公に嫉妬するやつ。
とはいえ、実際失敗すると辛い。
失敗の原因? 分からない。というか、これが失敗なのかもよく分からない。超光速に達する瞬間、僕の宇宙船は衝撃もなく静止状態に陥った。もっと奇妙なことに、僕は喜ぶ僕からの通信を傍受し、軌道上に超光速で移動した宇宙船の痕跡を発見した。宇宙船が分裂したのだ。超光速航行に成功した僕と、失敗した僕に。
僕は地球に戻った。時々望遠鏡を覗く。あの星々のどこかに、宇宙を股にかけ冒険旅行を繰り広げる僕がいる。深宇宙を超えた僕からの通信はもう僕には届かない。想像するしかない。全ての想像がそうであるように、面白くて切なくて、少しだけ主人公に嫉妬するやつ。
SF
公開:22/04/14 20:00
更新:22/04/14 03:53
更新:22/04/14 03:53
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