家出犬

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犬吉は飼い犬であり、食うには困らずそれどころか飼い主には可愛がられ、野良犬から見れば羨ましい生活をしている。
でも生活は退屈で家出しようと思った。
飼主の機嫌を取る必要もなく、自由気ままに生き、好きな時に、好きな所に行く、最高ではないか。
決心したら決行だと、翌朝には勇んで家を出た。
町外れまで来ると何処からか野良犬が出てきて、おまえ育ちが良さそうだが何処へ行くのだと聞いてきた。
犬吉が事情を話すと、何という贅沢な奴だ、俺なんか生まれて以来ズート野良犬をやっている。
自分で食物を探したり寝場所も見付けたりで毎日苦労してるぜ。
すると犬吉は、でも好きに生きれて良いじゃないか、どうせ一度の人生だと言い返した。

二人が口論していると神様が現れ、だったら三分間だけ立場を入れ替えてやろう、今までの記憶も交換する事になると言った。すると夫々の立場の苦楽が分かり、犬吉は野良犬を連れて家に帰る事にした。
ファンタジー
公開:22/04/13 19:08

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