白い暴動〜疾走する少年達の想い〜

少年達は疾走する。
白の特攻服に身を包み、それぞれの愛車に跨がり疾走する。
忘れたくない想いを胸に、白昼の光が途切れ、ブラックライトが灯るトンネルの中へと疾走する……。


「後ろのケンメリ先行かせい！よっしゃ長葱一束夜露死苦！」
「天上天下唯我独尊干し椎茸一袋上等夜露死苦！」
「イキガリ見せんでええねん！シャバ僧がっ！味醂一本特攻一番鬼！」
「ビッとせいやビッと！おっとマトイが邪魔や！あ、蒟蒻ゼリー！」


母ちゃんごめん、袋の中で豆腐暴れてグチャグチャになった。うん、流しに置いた。卵は田中さんの店でええでしょ？え、二割引って……。


木綿絹一丁ずつ、牛乳二パック、御彼岸親戚回り菓子折り五箱……。
少年達はトンネルを抜ける前、内壁を覆うホワイトボードに、蛍光マーカーでメモ書きをする。
帰りに買い忘れないようにと、走り書きならぬ"走り屋書き”をするのだ。