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春の日の夕暮れ、義男が犬のまるを連れて知らない街を歩いていると稲荷神社があった。中に入ると狐の石像があって、そこにワンカップがお供えされている。3本。
「やあやあ初めまして、これ君の?」義男が狐に聞く。
「いいや」狐が首を振りながら言った。
「じゃあ僕が処分しなくちゃだね」
義男はワンカップのプラスチックの蓋を勢い良く開けてグイッと一息に飲み干した。3本。
「ふう、おしっこ」義男は催してきたので、先程飲み干した空の瓶に注入した。もちろん一瓶じゃ足りず、3本全てになみなみと注がれた。義男は蓋を閉めて、元の場所に戻した。
「じゃあ、さようなら」義男は狐に言った。
「さようなら、義男くん、まるくん」
義男は狐がなぜ義男や、犬の名前を知っているのかなんて気にも止めずに家路に着いた。もちろん酔ってなどいない。
次の日もまた、義男は知らない街の稲荷神社で、ワンカップの蓋を開けた。
「やあやあ初めまして、これ君の?」義男が狐に聞く。
「いいや」狐が首を振りながら言った。
「じゃあ僕が処分しなくちゃだね」
義男はワンカップのプラスチックの蓋を勢い良く開けてグイッと一息に飲み干した。3本。
「ふう、おしっこ」義男は催してきたので、先程飲み干した空の瓶に注入した。もちろん一瓶じゃ足りず、3本全てになみなみと注がれた。義男は蓋を閉めて、元の場所に戻した。
「じゃあ、さようなら」義男は狐に言った。
「さようなら、義男くん、まるくん」
義男は狐がなぜ義男や、犬の名前を知っているのかなんて気にも止めずに家路に着いた。もちろん酔ってなどいない。
次の日もまた、義男は知らない街の稲荷神社で、ワンカップの蓋を開けた。
その他
公開:22/04/11 17:03
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