おやじ狩り

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「なあ。おやじ狩りに行こうぜ」

友達の口から唐突に出たのは、物騒な言葉だった。

「お、おやじ狩り!?」
「ああ。春だし、今の時期が丁度良いだろう?」
「確かに気温は丁度良いし、親父も外に出て酒飲んで花見をしている時期で……って、ちょっと待て!!それはやばいだろう」
「あ?やばくねえよ。お前何言ってんだよ。真っ赤になったおやじは、見た目も綺麗だ」
「見た目も綺麗って……。とにかくおやじ狩りなんて物騒な事はやめろ」
「あ?なんでだよ。皆やってるし、この時期の名物だろう」
「ええ!?名物!?皆やってるって……。いや、それ一部の悪い奴らだから」
「とにかく来い。来週の日曜な」

そして日曜日。
俺はなんとかして友達がおやじ狩りするのを防ごうとやってきた。

「さあ着いたぞ」

到着したのは、ビニールハウスの中。

「ん?おやじって?」
「新しい苺の品種だよ。今日は苺狩りするんだから当たり前だ」
公開:22/04/11 09:19

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

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ブラウン・シュガー
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