喜びダイヤル

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最近ついてない。良い事が本当に何もない。仕事ではミスを押し付けられるし、車は壁に当ててしまい擦ってしまうし。他にも色々あるが、とにかく良い事がなさすぎる。友達にそんな愚痴をこぼしていると教えてもらったのが、喜びダイヤルだ。

「喜びダイヤル?何それ?」
「電話をかけると自分にとってこれから起こる良い事を教えてもらえる電話なんだ。俺もさ、もうすぐ結婚するんだって。運命の相手はもうすぐ現れるらしい」
「占いか?」
「予言だよ」
「予言……。当たるのか?」
「全て当たる」
「ほんとかよ」

俺は教えてもらった喜びダイヤルに電話をかけた。

「はい。喜びダイヤルです。お名前とご住所をお願いします」

伝えるとすぐに話し始めた。

「お客様おめでとうございます。将来、宝くじで高額当選します」
「おお!?マジで!?」

しかしその将来というのは、いつまでも訪れなかった。当たったのは五十年後の事だった。
公開:22/04/11 09:09

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

https://youtu.be/frouU2nCPYI

・魔法のiらんど大賞2021小説大賞。大人恋愛部門「彼女の作り方」が予選通過

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ブラウン・シュガー
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