Ⅲ.八章 根源悪ノ牧場 1/9

0
1

 翌日。
 せんせいと看守がハックを自室へと連れてきた。
「ありがとう。あなたに迷惑はかけないから」
 一礼して部屋を出ていく看守。続いてせんせいも部屋を出た。独りにばるとハックの虚構意識が広がり、少女達が現れた。
『ハック!』
 駆け寄る二人の声で目を覚ますハック。
「ああ、君らか」
「良かった。無事だったのね」
「今回は早かったのね」
 そこにソルトが現れる。
「にんにちは」
「お前は、あの子と一緒にいた…」
「ねえ、あんた。ここから出たいそうね。あたしの頼みを聞いてくれたら、手助けしてあげるわ」
「どういう事だ?」
「そのままの意味よ。どう思うかは自由よ」
 しばし黙した後、ハックは答えた。
「…分かった。頼みは何だ?」
「簡単よ。あたしに付いてきて。一人でね」
 部屋を出ていくソルト。
「二人とも。ちょっと待っててくれ」
「絶対戻ってきてね」
「約束よ」
 ソルトの後を追うハック。
SF
公開:22/04/12 22:35
更新:22/07/31 09:48
SF 戦争 差別

Arujino( 東京都練馬区 )

まずは、こんにちは。

練馬区で活動中の、趣味の絵描きです。

小説・脚本なども執筆してます。

【番号なし】 用語・設定解説

【Ⅰ】 連載作品『WonDer BroS』 探偵と怪盗の対決が娯楽化した世界での物語。

【Ⅱ】 短編連作『Story Of Dri(P)Party』

【Ⅲ】 連載作品『根源悪の牧場』 戦争による差別と弾圧に支配された世界での物語。

【Ⅳ】 連載作品『ドライワンダーに遣う』

【001~】 短篇集『short TaleS』
 

コメントはありません

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容