おかしな戦争１３　決戦！　ホワイトロリータ城

「曲者だ！　出会え！　出会え！」
モリ・ナガは反射的に毛布を刺客に投げつけた。単なるおどしだが敵は突然のことでひるんだらしい。

そのすきにモリ・ナガは懸命に逃げた。見ればあちこちに火が放たれ盛大に燃え盛っている。
混乱の中、駆けつけようとした兵士もいたが相手はかなりの手練らしくすぐ斬り殺された。
さらにモリ・ナガが暗闇の中つまずきながら懸命に逃げている中を、まるで平地を走るかのようなしっかりした足取りでこちらに向かってくる。追いつかれるのも時間の問題だろう。

いや、そもそも追いつく必要もなかった。刺客の一人が弓を構えモリ・ナガに向けて矢を放つ。
矢は彼の首をかすめてすぐ先の地面に突き刺さった。
「しまった！」
彼の命の次あたりに大事なアミュレットが今の衝撃で紐が解けばらばらになってしまった。
勿論治す時間などない。
次の矢で足を射られた彼は倒れ、死神の足音がゆっくりと近づいてきた。